育児とキャリアの両立を支える!社内メンター制度の効果

育児と仕事を両立しながらキャリア形成を目指す従業員が増える中、企業側では「離職の防止」「経験知の継承」「働きがいの向上」がこれまで以上に求められています。こうした背景から注目されているのが、社内で信頼できる相談先を確保し、能力発揮やキャリアの停滞を防ぐメンター制度です。

制度自体は多くの企業で導入されていますが、その効果を十分に得られているケースは決して多くありません。とくに育児期の従業員は、仕事の進め方や時間の使い方、キャリアの見通しに不安を抱えやすく、適切な支援がなければエンゲージメント低下につながる恐れがあります。

そこで重要となるのが、制度を“形だけ”にしない運用設計と、管理職が理解すべき育児期特有の課題理解です。社内の心理的安全性や、働く親が感じる小さな悩みを拾い、離職を防ぐ仕組みへとつなげるには、メンター制度をどのように機能させるかが鍵となります。

本記事では、育児期の従業員を支えながらキャリア停滞を防ぐための社内メンター制度のポイントについて、要点を整理しながらまとめております。

目次

メンター制度が求められる背景と企業の課題

育児とキャリアの両立が一般化する一方で、企業側には「育児期従業員のパフォーマンス低下」「キャリア形成の停滞」「心理的安全性の低下」といった複数の問題が存在します。この章では、それらの課題と根本的な理由を深掘りして整理します。

育児期に発生しやすい不安とキャリア停滞

育児期の従業員は、時間制約による業務負担の増加、仕事への貢献度が見えづらい感覚、評価への不安といった心理的悩みを抱えやすいとされています。これらは本人にとって“言語化しにくい悩み”であり、周囲も気づきにくい点が問題です。結果として、モチベーションが低下し、自身のキャリアの方向性に自信を失ってしまうケースが挙げられます。

属人化した情報の偏在と業務停滞につながるリスク

育児休業や時短勤務により業務を一時的に離れることはよくありますが、その際に業務の属人化が進んでいると職場全体の負荷が高まります。属人化が解消されない状態では、本人が復帰した際にも「以前のように動けない」「情報を取り戻すのが大変」と感じやすく、復帰後の再適応が難しくなる傾向があります。

心理的安全性の欠如による相談のしづらさ

育児に関する悩みは、個人のプライベートに関わる領域も多く、上司には相談しにくいという声もあります。とくに評価者である上司が相談相手だと、率直に弱音を吐きづらく、問題が見えづらいまま蓄積してしまう可能性があります。結果として、エンゲージメントの低下や、転職・離職につながる恐れがあります。

コミュニケーション不足による孤立感の増加

リモートワークやハイブリッドワークが進んだことで、気軽な相談や雑談が減り、孤立感が高まりやすくなっています。育児期は働き方が以前とは変わるため、周囲の変化に置いていかれる危機感を覚える従業員も多いという指摘があります。
こうした状況から、企業には安心して相談できる仕組みと、キャリア支援の明確なルートが求められています。

育児とキャリア両立を支える企業の取り組み

ここでは、実際に企業がどのようにメンター制度を活用し、育児期従業員のキャリア支援を行っているのか、複数の取り組み事例を整理します。

A社:育児期専用メンター制度の設置

A社では、育児経験のある先輩社員をメンターとして配置し、月1回の面談機会を設定しています。経験者による具体的なアドバイスは非常に実用的で、働き方の工夫や家庭との調整方法など、実体験に基づいた知恵を共有できる点が大きな効果を生んでいます。また、面談内容を上司に直接伝える必要がないため、心理的安全性が高まるメリットもあります。

B社:メンター×上司の連携でキャリア停滞を防止

B社では、メンターと上司が定期的に情報共有を行う仕組みを導入しています。メンター面談で挙がった悩みは個人が特定されない形で組織にフィードバックされ、業務調整や評価の仕組みに反映される点が特徴です。この仕組みにより、育児期特有の負荷を踏まえた業務設計が実現し、従業員が無理なくキャリアを継続できる体制が整えられています。

制度の活用を促進する情報共有の仕組み

制度を形骸化させないためには、従業員が使いやすい情報発信も不可欠です。社内ポータルに「相談できるテーマ」「相談事例」「メンター紹介」を掲載し、安心して相談できる空気づくりを行うことで制度利用率が向上したという企業もあります。
また、相談テーマの例として以下のような項目を挙げると、利用のハードルが下がる傾向にあります。

  • 復帰後のキャリア形成への不安
  • 時短勤務中の業務調整方法
  • 時間制約による成果の出し方
  • 家庭とのバランスを取るための工夫

こうしたテーマの明確化は、相談のハードルを下げ、制度の有効活用につながる取り組みとして有効です。

企業と従業員をつなぐメンター制度のまとめ

メンター制度は、単なる相談窓口ではなく、育児期の従業員がキャリアを諦めず、組織に貢献し続けるための重要な基盤となります。企業が適切に制度を設計することで、従業員の心理的安全性を確保し、キャリア停滞の防止や離職防止にもつながるとされています。

育児とキャリアの両立を実現するには、制度の充実だけでなく、現場での運用が鍵となります。そのためにも、ぜひ、本記事で解説したメンター制度活用のポイントを実践ください。

(執筆・編集:エムダブ編集部)

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