辞めたくなったらまず知ってほしい働き方 フェースの答えとは

産休・育休後に職場を離れる女性は、今も少なくありません。「復帰しても元の仕事には戻れなかった」「時短では周りに迷惑をかけてしまう」——そんな声を耳にしたことがある方も、多いのではないでしょうか。

特許化粧品を軸に「三美容」を提唱し、美容業界をリードする株式会社フェースでは、育休後の職場復帰率がなんと100%(配偶者の転勤など、やむを得ない事情を除く)。時短勤務の柔軟な運用や在宅勤務が可能な契約社員制度など、ライフステージに合わせた「辞めない選択肢」を整えています。今回は、人事グループリーダーの井關さんに、制度の実態からご自身のリアルな経験まで、率直にお話を伺いました。

登場人物
わたしリズムWebマガジン編集部 徳林
「リアル3拠点生活」を実践中のわたしリズムWebマガジン編集部員。

株式会社フェース 井關さん
人事グループのリーダー。独自の「ラメラ美容法」に基づく特許化粧品を展開する同社で、採用・制度設計に携わりながら、すべての社員が長く働き続けられる環境づくりに取り組んでいる。

目次

社員の7割が女性——美容業界ならではの職場構成と、多様なキャリアパス

徳林
社員のおよそ7割が女性と伺いましたが、どのような職種に女性が多いのでしょうか。
井關さん
美容インストラクターとサロンスタッフは100%女性です。営業部門はかつて男性が多かったのですが、今は女性が増えてきた状況です。既存顧客を担当するチームと新規開拓のチームに分かれていて、新規開拓でも女性が活躍しています。

年齢層については、35〜40代前半がやや少ない傾向があって、55歳以上のベテランが活躍しているほか、最近の中途入社者は20代が多いですね。商品が独特で覚えることも多いので、長く働き続けてもらえることが嬉しいと感じています。
徳林
営業部門への転職は、異業種からでも大丈夫なのでしょうか。
井關さん
美容部門はやはり化粧品業界の経験があると有利ですが、営業部門は業界を問わず採用しています。「化粧品業界経験があると、なお有利かな」というくらいの感じです。実際にお客様のもとへ足を運んで商品を体験してもらう仕事なので、対話を大切にできる方であれば、幅広くご活躍いただいています。

育休後の復帰率100%——制度の実態と、業務カバーのリアル

徳林
育休後の復帰率が100%というのは、具体的にどのような制度が支えているのでしょうか。
井關さん
原則として、育休前と同じ部署に戻ります。時短勤務は1時間か2時間の短縮で対応していて、法定通り小学校入学前まで取得できます。それ以降も時短を希望する場合は一旦契約社員に切り替える形になるのですが、給与と賞与の考え方は正社員の時と変わらず、時短分だけが調整されます。

フルタイムに戻れるタイミングが来れば正社員に戻れますし、ずっと契約社員のまま続けている方もいらっしゃいます。働き続けてくれることが、会社としても本当にありがたいので、そういう制度を設けています。
徳林
契約社員に切り替えても、業務内容や処遇に差はありませんか。
井關さん
基本的に業務内容に変更はなく、給与・賞与の時短調整以外で何か差をつけることはありません。また、時短の契約社員であってもフルの出社が難しい場合は在宅勤務(週1日以上の出社を条件に)を選ぶことも可能です。

営業のようにお客様のところへ実際に足を運ぶ仕事は在宅勤務が難しいのですが、管理部門や事務系の方には選択肢の一つとして活用されています。
徳林
育休中の業務カバーは、どのように対応しているのでしょうか。
井關さん
管理部門は一定期間、派遣の方に入っていただきます。復職したタイミングで派遣契約を終了するという流れです。営業部門はそういうわけにはいかないので、チームで業務を分担したり、新たに採用して人員を補充することもあります。

残ったメンバーがカバーするケースもあって、正直なところ簡単ではない部分もあります。売上とのバランスもありますし、採用も簡単にはいかない。でも、長く働いてくれるベテランがいることの価値を会社が理解しているから、なんとか工夫しながら続けています。

「なんでやめるんですか」——病気になっても、辞めなかった理由

徳林
今後の取り組みについて伺えますか。
井關さん
実は、これは私自身の話なのですが。ガンを患い、最初は「辞めます」という話をしたんです。そうしたら、チームのみんなから「なんでやめるんですか」と言ってもらえて。

そこから衛生管理委員会も動いてくださって、社会生活と治療を両立できるサポート体制を一緒に考えてくださいました。当時はそういった制度はなかったのですが、私が相談したことをきっかけに、会社が道を探してくれたんです。
徳林
具体的には、どのような形でサポートされているのでしょうか。
井關さん
入院で1ヶ月お休みをいただいたこともありますし、抗がん剤の治療がある日は午後からお休みをいただくこともあります。周りのみんなが「心配しないでください」と送り出してくれて。本当に、迷惑しかかけていないのに、そんな風には思わせてくれないんです。 中小企業でも大企業がやるようなことをやろうとしてくれている、と感じています。経営陣も「両立できるように支援したい」と言ってくださっているので、休みながら働かせてもらっています。
徳林
治療のことを社内で発信されているとも聞きました。
井關さん
抗がん剤の治療費って、びっくりするくらい高額なんです。幸い私はがん保険にはいっていたため治療費の多くを保険で賄えましたが、ガンのみならず難病治療は高額で、費用の高さから治療を断念する方もいると聞いていて。働き続けながら治療できることへの感謝を感じると同時に、同じ状況の方に少しでも役に立てればと思っています。衛生管理委員会を通じて、治療と就労に関する情報を社内に発信するようにしていて、これからも続けていきたいと思っています。

フェース・フィロソフィーが現場で息づく——社員を大切にする文化の正体

徳林
ライフステージや体調の変化に、会社全体としての理解はあるのでしょうか。
井關さん
100人いれば100人全員が完全に理解しているかといえば、正直難しい部分もあります。相談が来ることもありますし。ただ、女性が多い職場だからこそ、ライフステージによって働き方が変わることへの理解は、全体として根付いていると感じています。

ほとんど接点のない別フロアの方が「聞きましたよ、頑張ってください!」と声をかけてくださることもあって。そういう温かさが、本当にありがたいんです。
徳林
それはフェース・フィロソフィーに通じるものがあるのでしょうか。
井關さん
そうだと思います。会社が掲げるフェース・フィロソフィーが、目の前で体現されているのを実感しています。サイトの社員インタビューでも「フィロソフィーへの共感」という言葉が多く出てきますが、それは決してきれいごとではなく、本当にそういう文化のある会社だと思っています。 私がその恩恵を受けているからこそ、これからも社内への発信を続けていきたいです。同じような状況の人が、辞めなくていい選択肢を見つけられるように。

編集部徳林のまとめ

「辞めない」ことを前提に制度をつくっている会社がある——取材を通じて、そう感じました。育休後の復帰率100%も、病気になっても続けられるサポート体制も、制度として整えるだけでなく、「文化」として会社全体に根付かせることが大切なのだと、井關さんのお話から気づかされました。

ライフステージの変化や体調の波を前に「辞めるしかないかも」と感じている方に、フェースの取り組みが少しでも参考になればと思います。あなたの職場にも、続けるための選択肢がありますか。

取材した企業について
企業名 株式会社フェース
事業内容 化粧品企画・開発、化粧品販売、直営サロン運営・サロンサポート、海外事業など
所在地 〒540-0012 大阪府大阪市中央区谷町2-7-8 FAITHビル
サイトURL https://www.faith-gr.co.jp/

※ 本記事の内容は、2026年5月28日取材当時のものです。

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